《日時》6月25日(木) 15:00〜18:00
 《会場》市民活動シアター(「仙台市市民活動サポートセンター」地下)
 《内容》
    ★展示 仙台ゆかりの本を集めて、仙台本の博覧会をひらきます。
        江戸時代、仙台は全国屈指の出版都市でした。
        往時を記す出版物も多数展示します。

    ★第一部 「仙台出版むかし語り」15:00〜16:30
     仙台の出版文化に詳しい早坂信子さん(元宮城県図書館員)と、
    『仙臺文化』渡邊慎也さんに展示資料の解説をはさみながら、
     仙台の出版の黄金時代を語っていただきます。
   
    ★ 第二部 「いま、仙台で本をつくる」16:45〜18:00
     地方での本づくりの
       楽しさ、難しさ、想いや願い、様々な舞台裏を
      現在、本という形で仙台を伝えている
          出版社の方々に語っていただくトーク。
     コーディネーターは大泉浩一(編集者・ライター)。
  《参加料》入場無料(予約不要)




 〜〜 以下は終了後の『庭番便り』から 〜〜

  

  「仙台本の博覧会 センダイボンパク」 6/25(木)15:00〜18:00

  12時に会場の市民活動サポートセンターまでレンタル屋さんがガラス
 ケース2台を持ってくる約束。…遅い。12:40到着。エレベーターに入ら
 ないので階段で運ぶことになり、男手がもう2人必要。センターのスタッ
 フが手伝ってくれる。あ、ありがとうございます!
  出演者の渡邊慎也さんと早坂信子さんがご到着。ガラスケースに明治
 〜昭和期の貴重な書籍の陳列作業をする。
  
 ここだけ博物館のような趣き。「風の時」佐藤正実さんが食い入るように
 展示物を凝視している。
                ◆
  第一部「仙台出版むかし語り」。会場は満員で100名近く。用意した
 椅子が足りずあわてて追加する。若い人から研究者っぽい方まで幅広い。
 入場無料で一番集客が読めないイベントだったのでスタッフ一同驚喜する。
    
 
  はじめに早坂信子さんが江戸の出版事情についてお話して下さった。
    
 仙台藩六代藩主伊達宗村八男の堀田正敦の業績を紹介しながら、江戸と
 仙台をまたにかけた出版と文化の話。スケールの大きさにクラクラ。
  「印刷物としてもっとも質の高いのが明治初期ではないか」「江戸時
 代の職人技がまだ残り、西洋からは銅版、石版技術、印刷の道具が入っ
 てきて両方が混在していた。」と言って展示している『偐紫田舎源氏』
 が年代によってまったく違うことを指摘された。
  最後に江戸の女流作家、只野真葛について触れた。仙台で悲運の死を
 とげた真葛。もっと知りたくなった。早坂さんの口からは流れるように
 固有名詞や年代が語られる。ひゅ〜んと江戸まで飛んで行った気分。案
 外近いのだ。用意していただいた資料は前夜まで変更のメールが届き、
 熱意とパワーに頭が下がる思いでした。

                ◆

   
  渡邊慎也さんに話し手が変わる。養賢堂の教科書からはじまって、明
 治〜大正の教科書を紹介しながら仙台の出版史をたどる。江戸時代、全
 国有数の出版都市仙台が明治になって木版から活版印刷になり、廉価で
 豊富な出版物が東京から入ってくると地元出版社は消えていった。
  大正〜昭和と出版物の変化は国の姿の変化もあらわしている。戦争中
 の愛国の賛美と個人の表現を貫く対照的な雑誌の紹介する。検閲の時代
 が終わり戦後の占領時代。ここでまたがらりと国が姿を変える。終盤、
 「一番大切な本は?」という早坂さんの質問に対して、渡邊さんの小学
 生時代のエピソードが語られ会場がしーんとなる。
  渡邊さんのすごいところは、豊潤な知識と本質を見極める洞察力をお
 持ちだというだけでなく、それがいつも人への愛情に満ちていること。
 ほんとうに楽しそうにうれしそうに語ってくださる。知識の有無や、性
 別・年齢で差別をしない。できそうでなかなかできないことだと思う。
 知っている人と知らない人では別の風景が見えていると思うけど、行け
 ない場所ではない。一冊の本を手にしたり、だれかの言葉に耳を傾けた
 かどうか。そんなことを思った。
  渡邊さんがいる仙台はたいへん幸運だと思います。と言うと多くの人
 に今さら、と思われそうですが。

                ◆

  申し訳ないのが、私がした前説がひどかったこと。やる前から不安で、
 そして不安的中。声がうわずって、絶句。メモすら読めない。普段は太
 々しいのに。らしくないことをするとすべるのだ。渡邊さん、早坂さん、
 お客様にたいへん申し訳ないことでした。あまりのダメさに武田さんも
 びっくり。「明日のブックカフェ講座だいじょうぶ?」と聞かれ、「あ
 ぁそれは大丈夫。普段のことを話すから」。案の定、ブックカフェ講座
 では別人みたいにしゃべっていました。あれから、始めの挨拶は一切頼
 まれなくなりほっとしています。



 センダイボンパク 第二部 「いま、仙台で本をつくる」
      6/25(木) 16:45〜18:00
   
  「センダイボンパク」第二部の出演者は8名。「いま、仙台で本を
 つくる」というテーマで活発に発言が交わされました。
  壇上には仙台で書籍、雑誌を出版する方々がずらりと勢揃い。
   
  ★「りらく」編集長・浅井宣夫さん
  ★「S-style・Kappo」編集長・川元茂さん
  ★せんだいメディアテーク副館長・佐藤泰さん
  ★笹氣出版印刷株式会社部長・只野俊裕さん
  ★荒蝦夷「仙台学」編集長・千葉由香さん
  ★河北新報出版センター・早坂敏明さん
  ★北燈社代表取締役・早坂弘美さん
  ★「ふきながし」吉岡英夫さん
  ★コーディネーター・大泉浩一(編集者・ライター)さん

  はじめにどんな本づくりをしているかお一人づつ聞きました。そして
 出版する立場で見る仙台はどんな街か。今後どんな出版、活動をしてい
 きたいか。と話題が続きました。ご出演の皆様全員にじっくりお話を聞
 くところまではいきませんでしたが、名コーディネーター大泉さんの采
 配で、仙台には意欲的に出版を行っている人達がたくさんいること、出
 版人の仙台への熱意とこだわりによって本がつくられていることが、よ
 くわかりました。
  リトルプレス、新聞社、公共施設、印刷会社の方にも参加いただいて
 本は出版社だけがつくるのではなく、いろいろなアプローチがあること、
 趣旨や背景、方法も多様であることがわかってよかったのではないかと
 思います。
  笹氣出版印刷の只野さんの発言で知ったのですが、仙台では20数年
 前に「みちのくブックフェスティバル」という本のイベントが開催され
 たそう。只野さん曰く、本のイベントはそれ以来ではないか、というこ
 と。「みちのくブックフェスティバル」はその後、地方出版ブームに火
 をつけたが、一回しか行われなかったらしい。そこで切れてしまったの
 が残念、イベントは積み重ねが大事。センダイボンパクのようなイベン
 トはほんとうに大切。と我々への激励のようなことを言っていただいた。

  Book! Book! Sendaiでこのような機会を持てたらいいなと思い立っ
 たものの、はじめはなかなかシミュレーションできなかった。でも街で
 精力的に仕事をされている人の話がおもしろくないわけがない。
 「雑誌をつくっていると思わぬ出会いがあり、そんな出会いがあると
 やめられない」「身近にある小さなことを拾うように伝えていきたい」
 「忘れられそうになっている仙台ならではのものを残したい」などたく
 さん心に残る言葉があった。会場のお客様も真剣に聞かれている様子だ
 った。
  ご出演の皆様、貴重な話をありがとうございました。
 ご多忙のなかお出でいただきまして、本当にありがとうございました!

   (今回も写真はBook! Book! Sendaiメンバー・佐藤正実さん)


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