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河北新報に蔵書票連載 2007.03.29  


  
仙台蔵書票愛好会の一員として、河北新報に2週に渡って蔵書票のことを
書かせていただきました。蔵書票を知らない方へ入り口をご案内できれば
いいのですが。図版には小枝昭一コレクションからお借りした秘蔵の蔵書
票。河北新報の担当記者さんが、きれいに写るようにと、メールではなく
実物を受け取りに来て、貴重なものだからと返すときも直接届けに来てく
れました。この図版のおかげで拙い文章が助けられました。
      
あと2ケ月あまりと迫ってきた蔵書票フェスタの告知を、そろそろ本格的
に始めないと、とみんなで気合いを入れています。近々フェスタの詳細を
アップいたします。盛り沢山ですよ〜〜〜。週末にカラーチラシが印刷所
から上がってくるので、どこかで目にしたら手にとって下さいませ。
カラー面に使用したロシアの銅版画家バタコフの蔵書票は私が一目惚れし
たもの。だれもが知っているあのお話の登場人物たちが勢揃い。今回の
フェスタにぴったりだと思ったのです。細密な銅版画なので、きれいに仕
上がってくるかどきどきしながら待っています。
   
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「IGLOO MEETING vol.11〜角煮祭り〜」 2007.03.28  

澁谷さん(yumbo)企画のライブが火星の庭で行なわれます。
ゲスト多数、たいへん楽しい一夜になりそうです。
夜桜見ながらお越し下さいませ。(近所だと錦町公園かな)
下の解説は澁谷さん。いつもおもしろいです。
       
      
「IGLOO MEETING vol.11〜角煮祭り〜」
      
4月11日(水)
於・book cafe 火星の庭
19:00開場 19:30開演
入場料1200円(限定35名・要予約)
出演:
角煮(from 札幌)
高橋誠(漂流教室/高橋誠とレイジーホース)
小野健宏(深海魚)
エーコ
中平陽香
浜田山(ex.F-1talk/トロッコズ)
澁谷浩次(yumbo)×TDSGK(De Qui Nai)
【予約・問い合わせ:IGLOO RECORDS(澁谷)yumbo.shibuya@gmail.com
     
Q:「角煮」とは何ですか?
A:ブロック状の動物の肉を長時間煮込んだ料理です。
Q:料理を振舞うのですか?
A:いいえ、そういうわけではなくて、その料理の名前を流用し
たバンドが出演するのです。
Q:OK、では、その角煮とはどんなバンドですか?
A:札幌を拠点に活動している女性の2人組で、一人はギター
、一人はドラムを演奏し、いずれも歌を歌います。彼女らは実
にパワフルなイマジネーションに満ち、かつ我々の意表を突く
ような、それでいて非常に無垢なパフォーマンスを各地で行っ
てきました。昨年は待望のアルバム「おなかいっぱいになった
らねむくなる」も発売され、全世界で好評を得ています。
Q:そういえばそんなバンドの噂を誰かから聞いた覚えがあり
ます。「角煮」のほかにはどのようなミュージッシャンが登場
するのですか?
A:「高橋誠」は、「漂流教室」という名のグループで巨万の
富と名声を得た有名なソングライターでギタリストで歌手です。
「漂流教室」の活動の傍ら、彼自身がフロントに立つバンド
「レイジーホース」や、TDSGKという男性ドラマーとの実験的
なデュオ「De Qui Nai」といったグループでも活動しており、
常に我々は彼の動向に注目しているのです。
Q:なるほど。ほかには?
A:「深海魚」というグループのリーダー、「小野健宏」がソ
ロ演奏を行います。「深海魚」の演奏に於いては、彼は常に大
きなサウンドを発しますが、今回はまた別のアプローチを試み
る筈です。また、ピアノを用いた哀切な弾き語りを行う「エー
コ」は、5年前に開催された我々のイベントの第一弾にも出演
した不死鳥のように伝説的なシンガーソングライターで、近頃
では彼女は高円寺の円盤というインディーズの殿堂へ貢献を果
たしました。これは仙台のロックシーンにとって快挙と言る出
来事でしたが、誰一人として顧みる者が居なかったのはことに
嘆かわしい事です。一方、「中平陽香」は今回初めてライヴ演
奏を行うことになる新人のミュージッシャンです。彼女の前歴
は「yumbo」というよく知られたグループに見出すことができ
ますが、今回のパフォーマンスでは彼女自身の知られざる世界
が披瀝されるものと思われます。そして忘れてはならないのが
「浜田山」です。この謎のヴェールに覆われたシンガーソング
ライターは、非常に都会的なポップセンスを有しながらも決し
てその才能が認められることはありませんでした。なぜなら、
彼は大阪でリヴァプール的な歌を歌い、仙台でニューヨーク的
に歌い、下北沢で名古屋ないしは京都的に歌ったから人々の反
感を買ったのです。
Q:とても興味深いですね。「澁谷浩次」と「TDSGK」の2人は
何者ですか?
A:「澁谷浩次」はこのシリーズイベントの主宰者であり、
IGLOO RECORDSの経営者です。彼は「yumbo」というバンドを率
いており、ユダヤジャズとか工藤波夫、カール・ブラウ、
ビル・ウェルズなどといった人々の演奏に貢献したこともある
ユニークな人物です。彼はピアノと歌を担当します。今回の彼
のパートナーである「TDSGK」というミステリアスな人物は、
一部のクラブ・ピープルの間では最早説明不要の伝説的人物で
すが、演奏者としてのキャリアも秘密裡に重ねており、これま
でにも「De Qui Nai」、「できないことはなんてかっこわるい
んだろう」、「October(love song)」などといったグループの
演奏でしばしば我々に衝撃を与えてきました。彼はドラムを担
当します。
Q:へえー、そうなんですかー。ほかに何か情報はありますか?
A:彼らの演奏をご覧になりたい方は、事前に我々に予約をし
てもらう必要があります。電話(022-274-4247)を用いても良
いですし、eメール(yumbo.shibuya@gmail.com)も受け付けて
います。申し込み時には必ず、お名前を教えて下さるようお願
いします。それでは会場の火星の庭でお会いしましょう。
    
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海野弘トークに酔う 2007.03.22  


春分の日に海野弘さんのトークを開きました。本のイメージからエキセン
トリックな方なのかな、と想像していましたが、物腰やわらかな穏やかな
お人柄でした。
   
午前中はジュンク堂でサイン会があり、カフェスペースが会場だったので、
お茶を飲みながら同席させていただきました。話が「奥の細道」に及ぶと、
キラっと目が光りだし、芭蕉が仙台を訪れた時のことを、まるで見てきた
ように話し始め、のっけから目ウロコ話の連続、すぐにノックアウトでし
た(何のこっちゃ)。
      
火星の庭へ移動、トークは3時開始。会場はいい感じに満員になり、トー
クのお相手小川さんによる海野さんのご紹介からスタート。海野さんは深
みのある渋い声で語りかけるように話し、みなさんじっと聞き入っていま
した。「第一作目にその後の要素がすべて入っている」と語る処女作
「アール・ヌーボーの世界」はいかに書かれたか、広大なジャンルにわた
る著書の根底で結びついている想い、テーマを決める時の動機、などもの
を書く時の核心部分を惜しみなく語ってくれました。たいへん贅沢な時間
でした。海野さんのしていることが、単なる美術評論や紹介ではなく、歴
史の読み直しや、文化人類学や民俗学といったさまざまな領域と結びつく、
スリリングでダイナミックなものであることがわかりました。そしてその
言葉は未来を語っている。「アール・ヌーボーの世界」初版は実質100
部しか売れなかったのに、今でも版を重ね文庫で売れ続けているのがその
証拠ではないでしょうか。
     
「最終的なテーマは、人と人を繋げるものは何なのか、どう繋がり得るの
か。ということなんでしょう。」とおっしゃっていた海野さん。「いまま
で誰も手をつけていなかったことを書いていく。だから社会的弱者や差別
されている人のことを書くことになる」という言葉も頭に焼きつきました。
     

    
「仙台にもモダニズム文化はあったはずです。それを探し当てる必要があ
る」と最後は「宿題」もいただいて、今日の出会いが何かの始まりである
という、余韻が残りました。
     
東京から同行していらした、この展示・トークを企画して下さった右文書
院の青柳さん、そして火星の庭まで海野さんを導いて下さった恩人、南陀
楼綾繁さん、ありがとうございました。そして多忙の中、トークのお相手
を引き受けてくれた小川直人さんに、大感謝です。小川さんの合いの手、
絶妙でした。そしてご来場いただいた皆様、「とても楽しかった」と海野
さんがおっしゃっていました。皆様のおかげでございます。ありがとうご
ざいました。
    
海野さんの声の余韻がまだ残っている火星の庭店内です。
「海野弘 私の100册の本の旅」展は3/27(火)までですので、
まだの方はぜひご覧下さいませ。
   
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「海野弘コレクション」必読です! 2007.03.17  

仙台は先週から寒波がやってきて、今日も雪が散らついています。静まり
返った店内で、海野弘の100册の本を見つめていると、ざわざわといろ
いろな都市の喧噪が聞こえて来そうです。
   

「海野弘コレクション1 私の東京風景」を読んでみる。
   
江戸、19世紀末のロンドン、パリ、ニューヨーク、上海。たった数行で、
別の場所へと連れさられる。海野本は別世界へ行く切符のようです。単
行本未収録の文章を集めたこの本は、短い文章の集まりのせいか、軽妙
でどこから読んでもすっと入っていける。私が最初に読みふけったのは、
「ホテルと映画と文学と」だった。ホテルやレストランはロンドンに
1880年代ぐらいから登場して来て、女性客の進出と趣味を反映して
いる。それはなぜか…。女性の社会進出と都市化の関係の深さは…。
ね、おもしろそうでしょ。
   

「海野弘コレクション2 
  新版 都市風景の発見 日本のアヴァンギャルド芸術」
   
タイトルもいいし、村山知義、清水登之、竹久夢二、山名文夫…目次に
並ぶ人名を見るだけでそそられる。おや、終りの方に蔵書票についての
短文があるではないか。「エクス・リブリスが日本に入った過程を語る
ことは、同時にアール・ヌーヴォーがいかに入ってきたかを語ること」
なんて海野さんならではのとらえ方なのではないか。そうか、だから私
は最初期の蔵書票が好きなのだ、と合点する。「さし絵や書票といった
周辺的な領域の方に、むしろアカデミズムのくびきからより自由で大胆
な表現が見られるのである。」なんて、うんうん、そうそうそうとうな
ずきっぱなし。この本には付録の栞がついている。酒井忠康(世田谷美
術館長)堀切直人(文芸評論家)岡崎武志(ライター)南蛇楼綾繁(ラ
イター・編集者)が寄稿している。
     

「海野弘コレクション3 歩いて、見て、書いて 私の100册の本の旅」
    
開催中の展示タイトルにもなっているこの本では、海野さんが自著100册
について想いを綴っている。巻頭にはカラーで100册の本の表紙が勢揃い。
第一作が「アール・ヌ−ヴォーの世界」1968年、たった40年足らずで100
册以上の本を書き上げたのだ。あとがきに「<海野弘>は一人だけでは
なく、チーム名ではないかといわれたことがある。」というのも冗談で
はなく、私などもついそう思ってしまう。この本は、格好の海野弘入門
書&カタログ。ご本人の解説つきですから。そしてスペシャルなおまけ
が「海野弘街周遊地図」グレゴリ青山さんのイラストです。これを持っ
て、さぁ海野ワールドへ旅に出かけましょう。

    
火星の庭で販売中です。どれも定価2600+税となります。
通販も受付けています。送料は1册あたり340円。3冊だと450円。
   
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「海野弘 私の本の旅」展はじまりました 2007.03.10  

ただ今火星の庭のカフェの壁、カウンター上、飾り棚に、海野弘著作が
100冊ズラーっと並んでおります。圧巻です。

   
海野さんの所蔵本による一箱古本市も好評。

   
今回の展示は、手にとって読んでいただけますので、興味のある本は
どうぞご自由に読んで下さいませ。

   
3/21(水曜・祝日)トークのお申し込み、受付中です。
広大なジャンルを渡り歩いて、自在に本にしてきた海野さんの世界。
いったいどんな風に作られていったのか、たっぷりお聞きしたいと
思っています。この貴重な機会をお見逃しなく。
    
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海野展は木曜日から、週末は往来座「外市」ふたたび 2007.03.06  

   
蔵書票講座が終ったとたん、木曜日から始まる「海野弘 私の100册
の本の旅」展用の本やパネルがどさどさと届き始めました。息つく間も
ない日々ですが、こういうの嫌いじゃないのです。火星の庭を始める前
から、友人達と、映画上映会にライブ、トークや朗読会と、年中やっ
ていたのでこれが素という感じ。ミニコミ出して、本を作って、打ち合
わせはたいてい自宅で10人前後が集まってお腹が空くとパスタ作ったり、
お好み焼き作ったり、天ぷら揚げたりしていた。今とまったく変わらな
いような…。こうやって生きていってるんだから(貧しくとも)贅沢な
人生です。
   
などと言って逃避している場合ではないのであった。壁の展示替えをし
なくては。この展示の企画をされた右文書院の青柳さんから送られて来
たもののなかに、グレゴリ青山さん画の「海野弘街周辺地図」が!
こりゃすごい。海野さんの著作を一つの街にたとえて、海や電車、
カフェや劇場のなかに海野さんの本のタイトルが書かれている。とても
楽しく、わかりやすい。必見です。
      
週末の大切なお知らせ。2/24に行なわれた東京・南池袋の古書往来
座での「外市」がこの週末3/11(日)11:00〜17:00に再
び行なわれます。
     
「外市」終了後、火星の庭の本はまだ往来座さんに置かせていただいて
いまして、返品は急ぎませんからーと伝えようとすると、「前野さん、
また売らせて下さい」と古書現世の向井さん。来られなかった人、日曜
日開催を願うリクエストに応えて、ということです。そのお言葉にシビ
レて、「では半額で売って下さいませ」と申し上げました。半額セール
は火星の庭前代未聞。でもなんだか、向井さんをはじめ、「わめぞ」
人たちの古本に対するまっすぐな熱いパワーに、なにか突拍子もないこ
とをしないではいられない気になった。といっても古本は残品ですし、
私は数百キロ離れたところで何のお手伝いもできずに売っていただくの
ですが。でも会場にいたら「えーーこれが半額だとーー!?」とか内心
思っちゃって、精神上良くないからいいのかも。
仏になって言います(目は閉じ気味)
「みなさまが喜んで下さればいいのですよ、値段なんて」
でも一回だけね。
  
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講座「蔵書票レッスン」が開かれました 2007.03.04  

   
おひな様の日に講座「蔵書票レッスン」が開かれました。1回目は定員
をオーバーしての開講。窮屈な思いをさせてしまって申し訳ございませ
ん。みなさん気合い充分で、田中さんのテンションも高い。「蔵書票っ
て何?」という話から始まり、普段実物を手に取って見ることはなかな
かできない蔵書票を、解説を聞きながらたくさん見せてもらいました。
   

   
お茶タイムは、おやつBOXが登場。おひな様を少し意識して。
   

   
和やかに、質問などが飛び交います。「では軽く作ってみましょうか」
と田中さんが取り出したのは、蔵書票制作キット。蝶や花をかたどった
紙片、千代紙などがテーブルに並ぶと、皆さん一気にモードが変わり制
作に没頭し始めました。約30分後には、参加者の制作した蔵書票が勢
揃い。すごいですねーー。
   

   
仙台蔵書票愛好会の千田佐知子さんより、6月に開かれる「蔵書票フェ
スタ」の案内をしてもらい、講座は終了。
   
次は大野加奈さんによる銅版の制作実演。この日の朝、埼玉より銅版の
道具一式を担いでやって来てくれました。華麗で美しい銅版画の舞台裏
は、意外や臭いと汚れとの過酷な闘いだった。神経と労力を注いで作ら
れる行程を見せていただいた後では、作品を見る目が変わりました。
   

   
参加者のために銅版体験コーナーも用意してくれました。大野さんが使っ
ている道具で、実際に彫ってみます。これは新鮮な体験でした。
   

   
手描きの資料も作成してくれて、その準備の細やかさに頭が下がりまし
た。大野さん、ありがとうございました。6月のフェスタで開かれる
トークショーでは、大野さんもご出演されますので、ぜひみなさま聞き
にいらして下さい。6/24(日)会場は塩竃のエスプで入場無料です。
    
大野さんが持って来てくれた銅版画の蔵書票がまだあります。お値段は
一枚1500円というお値打ち価格、お早めにどうぞ。
   
実演後、2回目スタート。今回はややゆったりとしたムードで。火星の
庭の講座という感じです。でもみなさん真剣。お茶が出るとほっとしま
す。
     
1回3時間に及ぶ講座、お疲れさまでしたー。
講師の田中さんはほとんど休憩なし、田中さんにはここ2年くらい頭が
下がりっぱなしです。いつも最大限にしてくれる田中さんの講座はとて
もお得感があります。今後は朝日カルチャーセンターでの「消しゴム版
画で蔵書票」通信講座やワークショップの開催が決まっているそうです。
通信講座は遠くの方でも田中さんの手ほどきが受けられますよ。
(受講申込み用紙は火星の庭にもあります。)
   
打ち上げはいつもの中華屋さんへ。総勢10名。田中さんを囲みながら、
仙台蔵書票愛好会の面々で、いつも以上に爆走。(だれが?)笑いっぱな
しの夜でした。
  
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