トークイベントのお知らせ

2025年12月16日

book cafe 〜パレスチナの暮らしを知っていますか?〜 vol.8

2025年12月16日

  

“「パレくら8」
“「パレくら8」
“「パレくら8」

〜パレスチナの暮らしを知っていますか?〜 vol.8

つながる、伝える、ともに生きる
ネパール、沖縄、三陸、 そしてパレスチナ

guest
土屋春代(ネパリ・バザーロ)

host
皆川万葉(パレスチナ・オリーブ)

2025.12.16(火)19:00〜20:30(30分前開場)
会場:book cafe 火星の庭
宮城県仙台市青葉区本町1-1-14-1F tel 022-716-5335
参加費:1500円+ドリンク代
要予約:kasei@cafe.email.ne.jp
*お名前、人数をお知らせください

 1990年代初めにネパールの子ども達の育成と女性の自立支援をサポートする活動を始めた土屋春代さんは、あるとき一人の女性から「援助より貿易をしてほしい」と言われました。その一言をきっかけに、子ども達が学校へ行けないのは家庭の貧困問題にあると気がつき、仕事の機会を創出し経済的な自立を促すことが必要と考え、1992年8月にフェアトレード団体「ネパリ・バザーロ」を設立しました。以来、30年以上に渡って、ネパールで作られたコーヒー、紅茶、スパイス、衣類、雑貨などを日本で販売し、パートナーシップを築いてきました。 さらに、2011年の東日本大震災以降は東北、2017年からは沖縄の生産者とつながり、良質な製品を企画・販売しています。
 パレスチナ ・オリーブの皆川万葉さんとは、理念を共有するフェアトレードの仲間として親交をかさねてきました。お二人とも困難な状況のなかで自立して生きることをめざすネパール/パレスチナの人たちと手を取り合い、良質な製品とそこで暮らす人たちの姿を日本へ伝えています。
 今回のトークでは、生産者と共に生きることの喜びを難しさもふくめてこれまでの歩みとともに語り合います。最近の現地の状況なども聞けると思います。
「生業(なりわい)」を支え合うフェアトレードという "つながりの形” にふれてみませんか?

「ネパリ・バザーロ フェア」12月4日(木)〜12月22日(月)
*期間限定でネパリ・バザーロが火星の庭にやってきます
11〜18時/火水休

ネパリ・バザーロ  http://verda.bz
パレスチナ・オリーブ https://www.paleoli.org/
book cafe 火星の庭 https://www.kaseinoniwa.com/

   ◇◇◇ 終了後のご報告 ◇◇◇

“「パレくら8」
“「パレくら8」

12月16日夜のネパリ・バザーロの土屋春代さんのトークでは、スライドと一緒に、ネパール、三陸、沖縄、能登の生産者さん達のものづくりと親交について、興味深いお話をたくさんしていただきました。
日常見慣れたコーヒー、紅茶、スパイス、ハンディクラフトがどういう環境のもとで、どんな人たちによって作られているのか。その背景についてのお話は、想像を超える苦労と努力の連続で作られ、日本まで届けられているのがわかりました。

そしてなぜネパリ・バザーロは、効率や収益を最優先しないでフェアトレードにこだわるのか。
穏やかにお話しされる言葉のなかに並大抵ではない信念があるのを感じました。

ネパールでは、女性が働く機会がほとんどなく、土屋さんが初めて訪れた村では女性が「家畜」のように扱われていたそう。それがネパリ・バザーロの仕事を得て、みるみる元気になっていった。
初めて自分の名前が入った預金通帳を持ったときの感動する表情。定期的な収入があることで家庭のなかで小さくならなくていいと話されたこと。地域の集会で意見を求められて活き活きと輝く様子を見て、「仕事と尊厳はつながっている」と確信したそうです。
印象的なエピソードを一つ。
ネパールのある村でのこと。そこではコーヒー豆の皮むき機がなかったので、高額な外注費と作業にかなり時間がかかっていたそう。
その後、政府の支援で購入できることになり機械が届くと、「機械を購入して貰ったお礼に大臣を招いてセレモニーをしなければならない」という。ところがネパールでは大臣が数ヶ月単位でコロコロ変わる。一向にセレモニーができない。そうしているうちに日本のネパリ・バザーロのコーヒー豆は在庫がなくなってしまった。
なんとかセレモニーが実現して、豆の精製作業に入れると思ったら、なんと村に電気がなかったことが発覚!したのだそう。それまですべて手作業でやっていたから気がつかなかったらしい。
電気を(都市の)カトマンズから引くことから始まったというこの話には、驚くと同時に日本の常識では考えられないことが起きるのだなぁと痛感しました。

雑貨の話。移動手段が徒歩しかない場所がたくさんある山岳地帯のネパールには、平らなところがほとんどないので、置き物を作る台が斜めで完成品が自立しなかったりする。商品が日本に届いてから「立たないんですが」と連絡すると、「こちらでは立っていた」と言われたそう。

生活環境や商品に求める基準が違う人たちと共同でものづくりをしていくには、どちらが正しいということではなく、それぞれの状況や考え方を伝えながら理解し合っていかなければならない。土屋さんの体験談には、習慣や考え方が違うの人たちとつき合うときのヒントがつまっていると感じました。
あと、「とにかく一緒にご飯を食べること!」というのも。まったくその通りだと思いました。

土屋さんの長い歩みをお聞きしていると、特別な能力をお持ちの方なのだなと思ってしまいますが、最初の数年は事業がうまくいかず赤字が続き、「ネパールからの帰りの飛行機のなかで、このまま落ちてくれたら楽なのに」と思ったことが一度や二度ではなかったそうです。なんという。どれほどの苦労があったのか…。

トーク後半のパレスチナ・オリーブの皆川万葉さんとの対談では、同じ苦労を分かち合う者同士とあって会話が弾んでいきました。
最後の方で「個人と個人のやり取りでコツコツ良い方向へと積み上げていっても、政治が悪いと一瞬で培ったものが失われてしまう」という言葉にやりきれなさを感じました。
ネパールの政情は日本ではあまり報道されませんが(パレスチナも少ない)、インドと中国に挟まれた地理的状況に加え、カースト制も残っていて差別や貧困の原因になっている。今年9月に起きた大規模な反政府デモ(死者19名)が起きたことを知っている人も多いと思います。
そういう日本もかなり心配です。土屋さんが噛みしめるように言った「選挙は大事」という言葉にも大きく肯きました。

ほんとうに中身の濃い、充実したトークでした。
最後に行動の原動力を問われ、「もっとも大切にしているのは人権です」と土屋さんがおっしゃった言葉が会場に響きました。

終了後もネパリ・バザーロの商品を囲みながら土屋さんとお話しする輪ができて、今日の機会を皆川さんとつくることができて、ほんとうにありがたいことだと思いました。
土屋春代さん、ご参加の皆さま、共催の皆川万葉さん、ありがとうございました。

ネパリ・バザーロフェアはまだつづきます。美味しいコーヒー、紅茶、チョコレート、スパイス、これからの時期にうれしい手編みのニット製品をぜひご覧ください。
チョコレートの試食もありますので、味見したい方はお気軽にお声がけください。土屋さんのエッセイが載ったネパリ・バザーロのカタログを無料でさしあげています。
ご来店をお待ちしています。