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最近の火星の庭/再会いくつか  2008.2.29  

先週は朝日新聞の朝刊で『エコロジカル・ブックス100』が掲載されて、
さまざまな反響をいただきました。発行して半年ですが、編集している時
からこの冊子はゆっくりじわじわ広がっていったらいいな、と思っていま
した。最近はお一人で2册、3册と買っていかれる方が多く、図書館からも
注文をいただいています。「小・中学生用『エコロジカルブックス』も作
って下さい」などアイディアをいただいたり、小さな波を感じます。第2
弾も予定していますが、第1弾の反省点をクリアしながら、さらにいいも
のができるよう焦らずやっていこうと思っています。
 
2/25月曜日は福島県南部を中心に発行されている情報誌『raconter(ラ
コンテ)』の方々が取材でご来店。

raconterへ紹介してくださったのが、ヴォーカリストの吉田慶子さん。吉
田さんは火星の庭オープンの頃からずっと来てくれていて、この日も一緒
に来てくれました。取材中にちょうど吉田さんのニューアルバムが流れ、
本人は照れていましたが、場が一気に和みました。吉田さんの自然の一部
のような声が火星の庭にぴったりだと思って、ipodに入れて毎日流してい
ます。raconterも素敵な雑誌、どんな顔した火星の庭が誌面に現れるのか
楽しみです。吉田さんは3/15にレストラン・パリンカで開かれる(ムーン
ライダースの)かしぶち哲郎さんのライブにゲストで出演予定です。この
ライブの前売券は、火星の庭にて好評発売中。
 
        ◆     ◆     ◆
 
今週、個人的には1週間で4回の酒宴という飲んべえの日々。週末から口の
なかにはずっと口内炎が。しかしいづれもいい酒でした。
 
数年ぶりの再会もありました。以前ヴィレッジ・バンガード(V.V.)とい
う本屋で働いていて、その時の同僚達と飲みました。V.V.の本部で社長の
右腕として全国を飛び回り、各地のV.V.を仕掛けてきたKさんが、V.V.を
円満退職、名古屋でアンティーク雑貨と古本の店を4月にオープンすること
になり、「仙台へ行くので、火星の庭にぜひ行きたい」という連絡をいた
だきました。10年前の真夏に約100坪の店舗をKさんの指揮で1週間でオー
プンさせたんだっけ。タフで、頭が良くて、人柄もいい、経験も並じゃな
い、しかもお金もたくさんある(これ重要)Kさんは、必ずや成功するで
しょう。「Maybe Clober」というお店、オープンは4/11です。どんな古書
が並ぶのか楽しみです。
 
        ◆     ◆     ◆
 
定休日は出張買取に行ったり、加藤哲夫ブックトークのDVD制作をしたり、
営業日より忙しく過ごす。買取に伺ったお宅が、ため息の出るような蔵書。
研究のお話を伺い、想像を絶する根気が要るお仕事を拝見してただただ圧
倒されました。いい出会いをいただきました。
 
加藤哲夫ブックトークDVDは9合目を過ぎ、頂上が見えたところ、3/5の
トークが初売りです!DVDと4大付録がついて2000円(税込)。ご予約
メールにて受付中。ジャケットのデザインはイギリスの探偵小説のカバ
ーをイメージして作ってみました。
 

 
         ◆     ◆     ◆
 
めずらしいお客様もいらしてくれました。飯沢耕太郎さんがメディアテー
クでの写真のトークの後にご来店。『世界のキノコ切手』(プチ・グラ)
をおみやげにいただく。ありがとうございました。
 

 
「秋ぐらいにキノコ切手展やろうか」と言っていただきましたが、前回い
らした時「春ぐらいにキノコ切手展やろうか」と言われていましたので…。
ご存知の通り、ものすごい多忙な方ですので、もしやっていただけました
ら光栄です。キノコ切手も素敵ですが、飯沢さんとは少女漫画で盛り上が
ります。60〜70年代少女漫画についての本も準備中らしいので楽しみ。

         ◆     ◆     ◆
 
詩人の須藤洋平さんがご来店。詩集『みちのく鉄砲店』で2007年中原中也
賞を受賞。昨年秋、友部正人さんのライブで初めてお目にかかりました。
お客様から「今年の中原中也賞はすごいよ。しかも宮城県在住」というこ
とで、お借りして読んでみて衝撃を受けました。審査員は、高橋源一郎、
荒川洋治、佐々木幹郎、という手強い面々。この人達に評価されるなんて、
すごいなぁ。やわらかでにこやかな外見の奥に、切れ味の良い言葉がたく
さん詰まっているんだろうか、と思ってしまった。
 
         ◆     ◆     ◆
 
ユンボの澁谷さんがドイツのパーカッショニスト/インプロヴァイザー、
マニ・ノイマイヤーさんとパートナーの悦子さんを連れてご来店。
 

 
悦子さんとは数年ぶりの再会。マニさんは泣く子も黙るアヴァンギャルド
界の重鎮らしいのですが、知らないのをいいことに、下手なドイツ語で話
をしたりする。たいへん温厚で、素敵な人。こちらが日本語で長話をして
いてもまったく嫌な顔をしない、むしろ意味を理解して聞いているような
感じ。逆のタイプの外国人を大勢見てきているので感動。マニさんと悦子
さんは私がかつて住んでいたフランクフルト近くにご自宅があるので、懐
かしくなった。日本の前にツアーで滞在していたオーストラリアの写真を
見せてもらって、旅情を掻き立てられました。あぁ、飛んで行きたい。日
本に来るのは年に一度とか。来年は火星の庭でライブをしましょう、と約
束して別れました。

        ◆     ◆     ◆
   
明日から3月。BOOKMARK NAGOYAも今週末で終了。残り僅かとなりました。
長いようであっという間でした。最後までよろしくお願いします。

4月は、4/5「第1回 月の湯古本まつり」に続いて、
4/26〜5/7「ロバロバカフェ・春の古本市」への参加も決まりました。
ロバロバカフェは大好きなカフェなので、今年もお誘いいただいてうれし
いです。古本の充実のため、来週は県外の市場へ仕入れに行ってきます。
飲んでいる場合ではないのだ。はい。


大学生との対話  2008.2.24  

只今開催中のBOOKMARK NAGOYAの、リブロ名古屋店での大古本市に追加120
冊を送りました。小さいの大きいの、ジャンルも値段も幅広く揃えました
ので、一度行かれた方も、また見に行っていただければうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
 
        ◆     ◆     ◆
 
先日、東北大学の仙台都市デザイン研究会の学生の方々の訪問を受けまし
た。ブックカフェについて話を聞きたいということで、9名がご来店。福
島県のある町のまちづくり事業を依託されていて、学生達はブックカフェ
を作る、という提案をしたという。が、町の人はブックカフェがいかなる
ものか、行ったこともなければ想像もできない。来月に迫った説明会で発
表する前に話を聞きたい、とお願いされました。
 
「はぁ…、うちの話は参考にならないと思うよ〜」と言うと、「写真だけ
でも撮らせてほしい」と言うので、それではどうぞ、ということになった。
当店は狭いので、9名入ればほぼ満席、貸しきり。まるでトークイベント
をやっているような光景。
 

 
大学に勤めている友人に聞いたら「仙台都市デザイン研究会」は由緒あっ
て、優秀な建築家を輩出しているそうだ。そういえば、みなさん20歳くら
いなのに、受け答えがちゃんとしてて、骨がある感じでした。
 
彼らの熱意が伝わってきて、話していておもしろかった。
そのなかで特に印象に残った質問。
 
「カフェはハイセンスじゃないといけないのでしょうか?」
深〜〜〜い質問だと思った。この質問が出たのが、常識ではカフェが成り
立つとは考えられなかった田舎で、人が押し寄せているカフェがいくつも
あり、そのなかで行ったことがあるカフェについて話している時だった。
ハイセンスじゃないとカフェじゃない、というのは間違いのような気がす
るけど、どこか真実(現実?)になっているところもあるかもしれない。
お店は店主がつくっているように見えても、店主の自由は思ったより小さ
く、お客様がお店を作るのだと最近思う。ねらってその通りにいかないの
がお店なのだ。この質問については、未だ考え中。
 
「接客する上で何を心掛けていますか?」
距離感。と答えた。もっと言えばお互いに気持ちのいい距離感、というこ
とか。
 
写真だけのつもりが気がつくとこちらも熱くなって、べらべらしゃべって
る。カフェの質問が多かったのは、彼らにとってカフェをやることの方が、
本を並べることより、未知なことだからだろう。すでに予算と物件があっ
て、そこで何をやるかの「何」で立ち止まっているというのは、経験した
ことがないなぁ、と話をしながら思った。
 
『ブックカフェものがたり』(幻戯書房)という本を読むといいですよ、
と教えたら、本屋さんで品切だと言われたらしく(アマゾンで検索したら
まだ流通しているようだ)、雑誌『CAFE SWEETS』(柴田書店)のカフェ
開業関連のバックナンバー数冊と一緒に貸した。私の話だけ聞くのは危険
と思ったから。どこにもない田舎のブックカフェができるといいな。オー
プンしたら行ってみよう。


加藤哲夫のブックトーク vol.4  2008.2.21  


加藤哲夫のブックトーク vol.4
3月5日(水)19:00〜  入場無料  book cafe 火星の庭 にて
 
[加藤哲夫プロフィール]
1949年福島県生まれ。1981年に出版社「カタツムリ社」を設立、
1985年には、エコロジーショップ「ぐりん・ぴいす」を開店。環境・
エネルギー問題・食と有機農業・平和運動などに取り組む。
また、1986年からエイズ問題に関わり、1991年からHIV薬害訴訟
を支援、1993年には患者・感染者サポートの民間団体「東北HIVコミ
ュニケーションズ」を設立して活動してきた。1992年より[独占する
より分かち合う]をテーマに全国的な起業サポートと事業者の異業種交流
ネットワーク「エコロジー事業研究会」を10年間にわたって主宰。
1995年頃から、市民活動/NPOによる新しい市民社会のシステムづく
りに積極的に取り組んで、1997年11月に民設民営によるNPO支援セ
ンター「せんだい・みやぎNPOセンター」を設立、1999年特定非営利
活動法人化して、代表理事・常務理事を務めてきた。
全国区の活動として、年間130回以上、行政職員研修、NPOマネジメ
ント研修等幅広いテーマの講演・ワークショップを行い、全国を飛び回っ
ている他、多数の著作がある。
 
[役職]
特定非営利活動法人 せんだい・みやぎNPOセンター 代表理事 
特定非営利活動法人 日本NPOセンター 理事 
東北HIVコミュニケーションズ 顧問 
特定非営利活動法人 市民コンピュータコミュニケーション研究会 理事
日本NPO学会 理事
カタツムリ社 代表
  
著書/
『加藤哲夫のブックニュース最前線』 無明舎出版
『NPO その本質と可能性』 せんだい・みやぎNPOセンター
『市民の日本語/NPOの可能性とコミュニケーション』ひつじ書房
『一夜でわかる!「NPO」のつくり方』 主婦の友社
『NPOの本質とその経営とは』 淡海ネットワークセンター
ほか共著など多数。
 
★     ★     ★
 
このシリーズ『加藤哲夫のブックトーク』は、
  DVD&BOOK
  『加藤哲夫のブックトーク〜てっちゃん今なに読んでるの?〜』
    として発売予定です。ただ今制作進行中!


『銭湯古本市!』『STOCK 東欧展』『ポラン書房さん古本市』『火星の庭 俳句会』 2008.2.19  

 
愉快な古本市に混ぜていただけることになりました。
なんと「銭湯」で「古本市」!!
開催は4/5(土)です。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
「第1回 月の湯古本まつり 〜銭湯で古本浴〜」
 
月の湯は昭和8年創業。木造破風造り建築で、浴場には富士山のペンキ絵、
床は今ではめずらしい六角形のタイルを使ってある昔ながらのたたずまい
の銭湯です。現在は週3日の営業。そんな定休日の銭湯をまるまるお借り
して、古本市とトークショーを開催。カフェスペースもご用意いたします。
 
■日時
4月5日(土)11:00時〜18時30分 雨天決行
■会場
月の湯  東京都文京区目白台3−15−7

JR目白駅改札を出て、左方向すぐの交番前信号を渡った所にあるバス停
から、都バス「新宿駅西口」行き(白61系統)乗車、5つ目の「目白台
三丁目」下車徒歩1分。
 
◎古本市(場所:女湯 風呂場、脱衣所)
 
■参加者
古書ほうろう(千駄木)http://www.yanesen.net/horo/
オヨヨ書林(根津)https://www.oyoyoshorin.jp/
古本オコリオヤジ(林哲夫)http://sumus.exblog.jp/
善行堂(山本善行)http://d.hatena.ne.jp/zenkoh/
ふしあな書店(扉野良人)
岡崎武志堂(岡崎武志)http://d.hatena.ne.jp/okatake/
古本けものみち(南陀楼綾繁)http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/
文壇高円寺(荻原魚雷)http://gyorai.blogspot.com/
ハルミン古書センター(浅生ハルミン)http://kikitodd.exblog.jp/
エエジャナイカ(北村知之)http://d.hatena.ne.jp/akaheru/
火星の庭(仙台)http://www.kaseinoniwa.com/
 
▼わめぞオールスターズ
古書往来座/古書現世/立石書店/藤井書店/m.r.factory(武藤良子)/
旅猫雑貨店/リコシェ/ブックギャラリーポポタム/bukuぶっくす
退屈文庫/琉璃屋コレクション ほか
 
 
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◎トークショー(場所:男湯 風呂場)
 
■第1部 14:00〜15:00
岡崎武志さん「坂を登れば文学がわかる」
「坂」が出てくる小説を通して岡崎武志さんが文学をわかりやすく
レクチャーします。 定員30名。
 
■第2部 16:00〜17:00
大竹聡さん、遠藤哲夫さん「酒とつまみと男と男」
「酒とつまみ」編集発行人の大竹聡さんと、「大衆酒場の詩人」の
異名を持つ『汁かけめし快食学』(ちくま文庫)の著者である
遠藤哲夫さんの酒飲み話。公開飲み会です。 定員30名。
 
▼予約受付は3月1日(土)から。予約方法は「わめぞブログ」
にて改めて発表します。3月1〜2日に開催の古書往来座外市でも
受付いたします。
入場料は銭湯と同じ、430円。
      
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◎カフェ(場所:男湯 脱衣所)

チキンライス:萬福亭(古書ほうろう)
焼き菓子:mws a point(ムーズアポワン・目白)http://mws.holy.jp/blog/
お茶:乙女湯のたしなみhttp://otomeyu.exblog.jp/
ソフトドリンク各種、ビール、酒類の販売もあり
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●主催:わめぞ
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会場の「月の湯」は、昭和初期の華やかなりし頃の建物で、東京で現
存する最古の銭湯。
旅猫雑貨店さんのサイトで他にも写真が見られます。
西や東の古本達人たちが大結集して開かれる古本祭り。すごいですね
ー。選りすぐりの本が買えて、古本界のアノ人、コノ人に会えて、お
いしいもの食べてお酒飲んで、トークも聞いて。パラダイス…、仙台
からツアー組んで行きますか?参加者多数ならバスチャーターします
よ(本気)。
 
 
 
        ◆     ◆     ◆
 
『STOCKで 東欧展』
 
仙台のリトルマガジン「ふきながし」を作っているSTOCKが東欧展を
開催中。遊びに行ってきました。STOCKのショップ&オフィスは大日
如来近くのビルの一室。シンプルなデザインの家具がさくっと置かれ
ていて心地いい空間。

 
この日はフードもあったので、いただきました。

 

オーナーの吉岡君が「これどうでしょうか」と見せてくれたのが、チ
ェコの古書。イジー・トルンカやカレル・チャペックの50年〜60年
代の本です。うわーーーすごい。いいね、いいね、と盛り上がる。
 

昨年秋に、チェコとドイツへ買付けに行って見つけたという。雑貨も
日本の暮しに合うような素敵なものがいっぱいでした。チェコの空気
がたっぷりなSTOCK、かなりおすすめです。フードもおいしかったで
すよ。「『ふきながし4号』ブックレビューの〆切りは3月初めです
から」と最後に念を押されて帰ってきました。
 
「ふきながし」1〜3号は、火星の庭にて好評発売中です! 
 
 
        ◆     ◆     ◆
 
『ポラン書房さん/二箱三日古本市』
 
当店も参加させていただきました東京・ポラン書房さんでの『二箱三日
古本市』が終了いたしました。

火星の庭も、まずまず健闘できたのではないでしょうか…
ご来場のみなさま、お誘い下さったポラン書房さん、ありがとうございま
した!
ポラン書房さんのHP
・古本市についてはその中のこちらに情報があります。

 
        ◆     ◆     ◆
 
『火星の庭 俳句会』
 
今夜は火星の庭俳句会。見学希望2名様をお迎えして、12名で盛り
上がりました。主宰の渡辺さんは本業の図書館館長をはじめ肩書きを
いくつも持っていて、その上俳人としての活動も盛ん。多忙を極める
なか、火星の庭に来てくれています。前日も文学館で「奥の細道」の
講座で講師をされた。座って聞いているだけの生徒とは労力が違いま
す。それなのに、俳句への命がけの情熱か、今夜も手抜きのない批評
がビシビシ。火星の庭俳句会も3年目、来月には2007年版の句集が
完成します。参加者が一年間で作った俳句10句を選んだもの。渡辺
主宰はもちろん、友部正人さんの俳句も掲載されていますので、一読
の価値ありますよ。
 
今月の高得点は関根かなさんの句
 
「不条理に台本ありて春の宵」  7点
 
同じくかなさんの句
 
「基本的人権の尊重しゃぼん玉」 6点
 
硬質さとはかなさが一体となって素敵です。 
今回の火星庵は不発なので、紹介は控えます。


その後のヨッパライ 2008.2.16  

前回のヨッパライのとき話題にのぼった作家を、時間が経ってからポツポ
ツ思い出しています(ボケが始まってるよ)。後藤明生、松岡正剛、高山
宏。いいよね、見つけたら「買い」だよね、ということでTさんと一致。
中島らも、きっとこれからも残るだろう、というような話もした。私達の
間では「現代」ですぐ読めると思っている作家も、若い人には「未知」で、
古本屋で「新しい人」として出会う。手垢にまみれた評価を一度振払って
真価を見極め、ちゃんと棚に置いていないと、次の読者に本を手渡してい
けない、と話ながら思っていた。本の見方は時代によって変わるから、思
い込みで本や作家の価値を決めつけることは禁物なのだ。なので「高い」
と思う作家も「安く」なっていたりする。そういう意味で、本は生まれた
り死んだりする。本はマジック。
 
Tさんは私のレベルに合わせて話してくれたので、きっと隠し持っている
切り札の作家をもっと持っているでしょう。「俺が好きな作家は2人だけ
…」ってこの後、思い出せない。今度聞いたとしてもまた忘れそう。ま、
いいか。口癖のように「文芸はもう無理だよ(売れないと言う意味か)」
「俺は文芸でやってきたから俺も終わり」と。「私達の世代は<本>って
言ったら小説なのにね。」ふぅ……一同ため息。「オレTシャツ作って売
るから、お宅の店でも置かせてくれよな」え!?そういう結論!!
 
さて、ほんとうにTさんのTシャツは火星の庭に入荷するのでしょうか。後
日素面で会ったときも「Tシャツ作るからよろしくね!」と言われたので、
どうやら本気らしい。
 
              ◆

名古屋で只今開催中のBOOKMARK NAGOYA 名古屋一箱古本市

 

当店も出品させていただいております、リブロ名古屋店さんより、会場風景
の画像をいただきました。ありがとうございます!
(上は全景、下は火星の庭の部分)
リブロ名古屋店さんによりますと、
  <古本市ですが、お客様よりかなりご好評を頂いておりまして、
   開始一週間で、全体の消化率が30〜40%位です。
   (火星の庭さんの本も同じ位の推移です。高額本から売れていて嬉し
   い限りです)> とのこと。
 
やっほ〜!ということで、追加納品のお願いをいただきました。名古屋の
皆さまの尋常じゃないパワー、びっくりです。足をひっぱらないよう、お
もしろい本、魅力ある本を追加したいと思います。引き続きどうぞよろし
くお願いします。
 
              ◆ 
 
今週は祭の後の静けさか、し〜〜んとしておりました。一週間前の賑わい
が嘘のようです。ま、本来の姿、とも言えなくはないのですが、一度祭の
喧噪を味わうと、ひときわ淋しい……ものですね。セールの売り上げがよ
かったと言っても一ヶ月分の売り上げとかではありません。ということで
すので、どうか、ね、ね、みなさん御贔屓に。


みっともない休日 2008.2.14  

仙台駅前のデパートで老舗古本屋「萬葉堂」さんの古本市が開かれている。
仙台の古本好きはみんなそわそわ落ち着かない。初日ちょうど定休日だっ
たので、開店一時間遅れでのぞいてみた。他店の棚(セドリ)にそれほど
燃えるタイプでない私、とか言って気がつくと目を皿にして見ていた。同
業者や知り合いにあちこちで会う。なんせ、10万冊ですからね。子どもだ
ったら迷子になりますよ、いや大人も(ケンとはぐれた人)。お店の常連
さんからゲットしたものを自慢される。「ほほう、森山大道の『サン・ル
ゥへの手紙』がありましたか、えぇ安い!よかったね。」←負け惜しみ。
 
『紫陽花舎随筆』鏑木清方『謎の近世画家』瀬木慎一『デザインの発想』
ロジャー・ニコルソン『エリック・サティ』ジャン・コクトー(深夜叢書)
『女のいる自画像』川崎長太郎『青春無頼の詩』織田作之助など購入。


 
同世代の同業者Tさんと遭遇。「ちょっとお茶でも」と誘われて一人行く。
ケンは見つからなかった。(←っつか黙って行くなよ:ケン)某ファミレ
スで、メニューにワインを見つけ、迷わずボトルで注文。昼間からいい大
人が、酔っぱらって殿山泰司だの、伊丹十三だの、野溝七生子だの、北園
克衛だの、堀内誠一だの、長新太だの……。Tさんは年下だが、高校卒業
後すぐ開業したのですでに20年近くのキャリアがある。古書組合に入ら
ず、古本市もネットもブログもオークションもしない。純粋店売りの古本
屋だ。本の好みは近いが、まったく違うベクトルで商売していて、だから
おもしろいし、興味もある。お客として行っていた頃から、その存在感は
他の追随を許さず、本好きが一目置いている店だ。ただ、飲まなければね
ぇ…。周りは女子高校生だらけ。キャッキャと楽しそう。こちらはまった
く華のない話。Tさんは一種の天才。扱ってきた本のすごいこと、そのと
きどきのマニア達の嗜好の読みの鋭さは天性のものなのだ。Tさんが遠洋
まぐろ漁船なら火星の庭はイカ釣り船だな。仙台の古本屋図の一方の極に
Tさんがいて反対の極に火星の庭がいるんじゃないか、なんて思って言っ
てみたら「どうでもいいんだよ、売れれば」と言われる。岡崎武志さんと
南陀楼綾繁さんがホメてたよ、というと「え、ホント?」とすんごくうれ
しそうだった。
 
ワインを2リットル飲んで、猛吹雪のなかを店に帰る(全然寒さを感じな
いの)と、ケンがセイロン・カリーの仕込みをしていた。ふっと意識がな
くなって目を覚ますとイスの上で寝ていた。あれっと思っていると、ケン
に「お迎えの時間だから行ってきてね」と言われ、自転車に乗りふらつき
ながら保育園へ行くと、「お母さん、お酒くさい」と娘に睨まれる。ダメ
母。清らかな保育園で酔った人間は捕らえられた犯罪者のような気分にな
るものです。「お腹すいたぁ」と言われて、そういえば今日何も食べてい
ないことに気がついて(つまみなしで飲んでいた)、いま包丁を持つのは
危険と判断し、行きつけの玄米定食屋さんに行って、ようやく生き返りま
した。恥をさらすようで何ですが、こんな日もあるということで。
 
本日は、朝からケーキを焼き、午後は朝日新聞の取材を受けました。朝日
は来週の朝刊に載るようです。基本的に勤勉な古本屋です。飲まなければ
ねぇ………。
 
★当店も参加させていただいている、
  ポラン書房さんの古本市は明日からです!
ポラン書房さんのHP
・古本市についてはその中のこちらに情報があります。


セール終了!ありがとうございました 2008.2.12  

火星の庭8周年感謝セール、最終日は5日間で一番の人出でした。均一も高
額のものも適度に売れ続け、閉店時間を延長して20時終了となりました。
カフェもたった3卓なのに、忙しかったです。長時間本棚を見て疲れたと
きに、座れるといいようでした。今回カフェをやるかどうか迷いましたが、
狭くてもやってよかったと心底思いました。なんとセール最終日はオープ
ン以来最高の(ネット通販は除いて)売り上げを記録しました。あんまり
売り上げがどうのこうの書くのは品がない気がしますが、素直に喜びたい。
一番うれしかったのは、隅から隅まで棚をじっくり見ていた方が多かった
こと。本棚は人に見られてなんぼ。古本たちもさぞ誇らしかったことでし
ょう。店内に充満するウキウキ、ルンルンとうい空気もよかったです。い
い体験をさせていただきました。次の一年へ気持ちを新たにやらせていた
だきます。ご来場いただいた皆様心よりありがとうございました。次回は
?と聞かれること多数ですが、8年間ではじめてのセールだったので、次
は16周年かな、とは言いませんが、まだ未定です。本がたくさんたまっ
たらまた考えたいと思います。
 
20時から打ち上げとなりました。毎日通って本を買って、お茶してくれ
たWさん。バルテュス画集をゲットしたTくん。「こどものとも」にとき
めいていたIさん。就職活動真っ最中にも関わらず来てくれたMくん。みん
な年下の友達です。ワイン、日本酒、笹かまぼこ、チョコケーキなどを差
し入れしていただいて、乾杯。22時ごろ初代バイトのNさんが突如出張
先の宇都宮から新幹線に乗って参加。この辺りから記憶がありません。き
っと暴言、愚痴、泣き言、いろいろ吐いたんじゃないかな。8周年なんて
古本の世界ではまだよちよち歩きの段階だけど、だから8周年パーティー
なんぞはする気はなく、「セール打ち上げ」などという意味不明な会にな
っちゃったんだけど、友人たちは「よくやってるよ」と励ましてくれまし
た。いや、全然。まだまだこれからです。
 
と余韻に浸っている間もなく、今日の夕方にはポラン書房さんへ今週末に
開かれる2箱3日古本市用の本の発送しなければ。うぅ、運送屋さんが集
荷に来るまであと3時間。寝坊して保育園を休んだ娘が退屈して大騒ぎす
る前に(今はお絵書き中)メドをつけなければ。あぁ、思考力ゼロで〜す。
 
 
当店も出品させていただいている、 
名古屋で開催中のBOOKMARK NAGOYA 名古屋一箱古本市から、公式リ
ーフレットを送っていただきました。

デザインが素敵なだけでなく、中身も見ごたえたっぷりで、感服しました。
ちくさ正文館書店本店の古田さんの言葉が胸にしみます。
 
「本は時代性のあるものと、売れるものとを分けてる。売れ筋は商売だか
ら、それはそれで感覚としてわからないとダメで。でも「本当にいいもの
はこれだよ」って。次の世代の力を持っているものだったら、それは全部
フォローしますよ。その辺の使い分け。時代の空気吸ってんだからね。企
画展は日常的ですよ。そんなもんは全然当たり前です。やらなきゃいけな
い。やるからには、メッセージじゃないけどもわかる人にはわかる、そん
なもんじゃないですか」
 
グサっとくるところと、うんうんとうなずくところと。古いものを扱って
いても同時代の人を相手に商売しているんだから同じ。
 
朝市の果物屋さんで呼び止められた。「また紅玉入ったよ」。えーーー、
終わりだと思ったのに。一切れ食べたらおいしかったので、またひと箱買
ってしまいました。返り咲いた「アップルクランブルケーキ」。2月中は
お召し上がりいただけます。次はそろそろ国産レモンのシーズンなので、
さわやかなレモンケーキを作ろうと思っています。春近し。


セール、明日が最終日!! 2008.2.10  

火星の庭8周年感謝セール、3日目の土曜日は、遠くからもたくさんお出
いただき初日に迫る売れ行きでした。連日通って下さる方も何人かいらし
て、ありがたいことです。昨日は夜から雪がずんずん降ってきました。
明日はがら〜〜んとしているかな、なんて思いながらも補充は欠かしませ
んよ。
 
日曜日の今日も開店前からお客様がいらっしゃる。歩道には雪が積もって
いるので、店内に入っていただき、焦りまくって準備する。セールの威力
を思い知った今回です。
 
90年代の白水社、草思社、国書刊行会の海外小説を補充しました。絵本、
画集類もいくつか。午後からはお日様も出てくるようなので、どうぞお待
ちしています。
 
おかげさまで「このぐらい盛り上がったらいいかな〜」という想像を越え
るお客様の反応をいただいたので、懸案だった「セール打ち上げ」やりた
いと思います!最終日=2/11(月・祝)の閉店後、19時から21時
まで。飲み物食べ物持ち込み自由です。こちらではささやかですが梅酒
(友人のお母さんの手作り)と紅茶、タコライス&つまみを用意します。
会費なし、予約不要ですので、ふらっと遊びに来て下さい。普段充分な対
応ができないときもあると思います。この機会に聞きたいことなどありま
したらどうぞ、ざっくばらんに交流しましょう。
あ、打ち上げ中も2割引になりますよ(笑)。


セール特典の紙モノ 2008.2.8  

火星の庭8周年感謝セール、2日目もお天気に恵まれて、昨日よりはのん
びりやっております。
昨夜レジを精算しようと点検レシートを出したら、すごい長さ。いつもの
4倍はありました。ありがとうございました。皆さん平均1時間は滞在さ
れて、じっくり本棚を見ていかれます。5時間いた方もいました。本屋っ
ぽい。って本屋だから。
 
2日目の特典は紙モノ。さまざまな種類を用意しました。

みなさん選んでいるときのテンションが高い。
アンティークカード(約100年前欧米の都市が中心)、昭和40年代のメンコ
セットなどなど。「一つに選びきれないので売って」という方も。
 
明日からの3連休もセールやっています。告知通り、毎日補充しています。
「最近の『たくさんのふしぎ』100円均一」など準備中。
ご来店お待ちしています!


いよいよセール明日から! 2008.2.6  

じゃ〜ん、会場の準備はほとんど整いました。
 火星の庭8周年感謝セール、明日、初日です。

 
準備が間に合うかどうか、内心焦っていました。昨日の定休日朝、さぁセ
ール準備だ、とはりきって目覚めると、4才の娘が「おがぁ〜〜さーーん
首、イタイ!!」と泣叫んでいる。どうやら寝違えたらしい、振り向けず
に固まっている。仕方ないので保育園を休ませ店へ連れていくことに。着
くまでも泣叫び、完全に予定が狂う。「絵本読んで!」「お腹すいたぁ」
「遊ぼう」とまとわりついてくる。どうなるのか、と焦ったが、途中から
「私もお手伝いする」と言い出し。働く。
均一の文庫にシールを貼ってもらった。難点は、ミステリーなどで表紙が
ドロドロしているのには、貼らずによけちゃうこと…。「恐いのイヤ」っ
て、あのねぇ。
 
今日は友人のCさんが「きっと人手がほしいだろうと思って」とヘルプに
来てくれた(涙)。そうです、火星の庭は私達2人でやっているのではな
く、影で支えてくれている方々によって成り立っているのです(号泣)。
 
そんなこんなで始まりますよ〜。今回コケたらセールトラウマ(?)にな
りそうなくらい気合い入っていますよ。覗くだけでもご来店下さいませ!


セール追加情報! 2008.2.5  

セールの告知をしたとたん買取りのご依頼をたくさんいただいています。
昨日も今日も出張買取。うれしい誤算です。実家に本を運んだら、「あら、
持っていったんじゃなかったの?」と。申し訳ない、違う本なんです。
古本屋の在庫に「多すぎる」という言葉はありません。買取り大歓迎、本
の整理には火星の庭をどうぞご用命下さいませ。実家にはこんな娘を持っ
たことをあきらめてもらって…。
 
本日は開高健とヘミングウェイが大段ボール3つ。開高健は函入りの小説
から大型本の「オーパ」揃い、文庫「洋酒天国」、釣や食関連エッセイな
ど軽めのものもあってうれしい。思わず自宅に持っていきたくなります。
持ち込みでは絵本が大量に。バルテュスの大判画集(リブロポート)も。
セールで出せるようにがんばります。
 
さらにセール情報!映画パンフレットを1冊どれでも50円で放出します。
倉庫の奥から1000冊くらい発見。あと、大きくてなかなかお店に出せな
い、ポスターや原画などもお披露目。横尾忠則、金子國義など、暗闇で眠
っているのを起こしてきます!?どうぞ明るいところへ連れていって下さ
いませ。と言っても横尾のシルクスクリーンとかはないですよ。あんまり
すごいのはないです。
 
セール中の天候は週末が雪の予報。そこで!もしご来店のときに「雪が降
っている」もしくは「気温がマイナス」だったら、もれなくシナモンチャ
イをサービス(小さいカップですが)いたします。風邪予防にもなるシナ
モン(桂皮)であたたまって下さいね。
 
そして新たな妄想。セールが盛り上がったら最終日に打ち上げしたいなぁ。
自由参加で持ち込み可能にして。まだケン(片づけ担当)には言ってない
けど(笑)。「そんな体力ないよ!」と言われるに決まっているのだ。こ
の妄想は追って……、会議の上で。ムリかなぁ。
 
2/15から開かれるポラン書房さんの2箱3日古本市の目録が届きまし
た。火星の庭も1ページ参加しています。参加店が多彩でユニークな目録
です。火星の庭の本、他店に比べ迫力や説得力に欠けるな、と反省。不甲
斐ないなと思いつつも目録や古本市は学ぶことがいろいろあって、参加さ
せていただいています。修行、修行。目録50部送っていただきました。

欲しい方は入り口のチラシコーナーからどうぞ。
 
BOOKMARK NAGOYA 名古屋一箱古本市は今週土曜からスタートです。
明日古本市用の本を100冊発送します。名古屋の皆様どうぞよろしくお願
いします。
BOOKMARK NAGOYAは全容が発表されましたが、素晴らしいですね。
本の達人たちが大集合!って感じで鳥肌ものです。
 
さ〜〜今夜から定休日2日かけてセールのセッティングをします。いつも
と違う雰囲気になりそう、どうぞお楽しみに!
 ※2/4(月)の夜に書きましたがアップが2/5(火)になりました。
   上記のBOOKMARK NAGOYA 名古屋一箱古本市用の
    古本100冊、本日、名古屋に向け、発送できました〜!


古本セールの特典が決まりました 2008.2.1  

火星の庭8周年感謝セールが来週に迫りました。最近は棚をじ〜っと見て
いるお客様が多く、「7日からですね、では」と言って(買わずに)帰ら
れる(笑)。いいのです、下見大歓迎でーーす。
 
ようやく特典が決まりました。あれこれ悩み、結局地味な感じですが、
お客様に還元できる形を取りました。
 
◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 
火星の庭8周年記念・感謝セール! 古本すべて2割引
 
2/7(木)・8(金)・9(土)・10(日)・11(月・祝日)
  
◆店内の古本すべて20%OFF
 
◆1000円以上お買い上げの方に毎日特典あり。(各日先着100名様)
 
 2/7(木)  古本一割引券
 2/8(金)  選べる紙モノプレゼント
 2/9(土)  ドリンク割引券
 2/10(日) 選べる紙モノプレゼント
 2/11(月) 古本一割引券
 
◆文庫・単行本『100円均一』『300円均一』特設コーナー作ります。
◆毎日補充します!
◆期間中、カフェは席数が少なくなりますが、通常通り行います。
◆クレジットカードのご使用も可能。お取置きは受付できません。
◆申し訳ございません、ネットでのご注文品はセール対象外となります。
 
◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇
 
セールに向けて、新規品出しの本を準備中。
今日は文庫本を100円〜300円に値付けしました。約300冊。まだまだ増やし
ます。品切・絶版かどうかはほとんどノーマーク。スキだらけの値付けな
ので(笑)どんどん掘り出して下さい。
とにかく8周年感謝のお祭りなので、皆様に喜んでいただき、楽しく盛り
上がればいいな、と思っています。ご来場心よりお待ちしています。



 
 
 


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